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「死」を想い、「生」を考える [メインテーマ]

以前から一度は聞きたいと思っていた、死生学の大家、アルフォンス・デーケン博士の講演に行くことができました。

デーケン先生は日本に骨をうずめるつもりの、心は日本人、というドイツ出身でカトリックの司祭、現在は大学の名誉教授をされ、全国で講演をしていらっしゃいます。

日本に「死生学」という概念を確立された方です。

日本では「死」というと話に出してはいけない避けるべきもの、忌むべきものというイメージです。

しかし、死を意識し、残された時間などを想うとき、そこからがいかに生きるか、残された人生をより良く生きるにはどうしたらよいのか、という新たなスタート地点になる、というのが死生学の考え方です。

つまり「死」を想うことは、「生」を考えること・・・そこから死生学という言葉が生まれました。

デーケン先生は、「最新のデータでは、日本人の死亡率は100%」と、ユーモアをまじえて話されます。

よく生きるにはユーモアが必要、ユーモアとは思いやりが元になっているもの・・・。

人間が素晴らしいところは「考えることができる」「考えて、選択することができる」「愛することができる」。

年をとると人間はわがままになっていくが、愛と思いやりが必要。

若い頃は何かを手に入れ、増やし、突き進むことが必要でも、年を重ねると、そぎ落としていくことが大切。

愛するものに先立たれた時、そこから新たなアイデンティティーを確立して歩き出せるまでのプロセスについて。

などなど、心に響く1時間半でした。

最後に、参加者からの「自殺を防止するには・・・」という質問に対して、自死を選ぶ人たちはとにかくそこから自分だけが逃れて楽になることを考えている場合が多い、周りのことを考えられない状態になっている、子どもの頃からいのちを大切にすること、自分を大切にすることをもっと教えなければいけない、と強く語られたことが印象的でした。

さらに、キリスト教では、いのちは神から与えられたものだから大切にしなければいけない、「神はご自分に似せて人間を創られた」から神の似姿である自分を大切にしなければいけない、と説くので、子どもの頃からそれも教えられる、と先生は語りました。

これだけで自殺防止に繋がるとは言えないかもしれませんが、とにかくいのちを大切にし、精一杯生きることの尊さを、日本の教育はもっと教えなければいけないように思います。

愛とユーモアをもって、よりよく生きる・・・心がけたいものです。

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コメント 6

cocoa051

「死」って重いですね。
「生きる」こと以上に重いって感じてしまいます。
もし「死」が怖くないと思えれば、きっと一線を越えることに抵抗感がなくなるのかも知れませんね。

by cocoa051 (2009-02-15 17:02) 

トニー

わたしも、その講演、聴いてみたかったです。

わたしも、「死」とか、避けてしまうほうです。

人間が弱いのでしょうか。

歳をとると、そぎ落としていくことが大事…ふむふむ。

わたしは、得たい、増やしたい気持ちが、大半でございまする。

自分しか見えない…というのは、

自戒したいと思いまする~☆

by トニー (2009-02-15 23:36) 

michaela

cocoa051さん、確かに「死」について考えることは重いです。未知のことであるから余計に怖いし・・・。でも避けられないものであるからこそ、そのときまでをいかに良く生きるかが大切、とあらためて感じました。
by michaela (2009-02-16 10:06) 

michaela

トニーさん、避けてきて当然だと思いますよ。私も手放す人生にしていきたいと思いながら、まだまだほしいものがたくさん・・・イチデジ、新しいパソコン・・・。
by michaela (2009-02-16 10:10) 

doudesyo

今晩は。
死を見つめれば、生を感じる、と思っております。また、逆も真なりと。まあ、頭悪いので、楽天的な思考でいいかなと思っています。^^;
by doudesyo (2009-02-16 20:47) 

michaela

doudesyoさん、ご謙遜を!そう、楽天的な思考は必要です!あまり思いつめず、考えすぎないことも必要かと。
by michaela (2009-02-17 08:32) 

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