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職人のプライド [身辺雑記]

昼に、東京某所の和食店に行きました。

連れの行きつけで、カウンターに通されました。

板さんも顔なじみのようで、連れが「おっ、まだいたんだ!」などと軽口をたたきます。

私たちは軽いランチメニューを頼みましたが、カウンターの中では板さんが時々会話に加わりながら、晩の仕込をしています。

やがて、鱧を取り出し、さばき始めました。

京都から来ているという板さん、鮮やかな手つきです。

鰻と同じように頭を固定し、背骨を抜き、開いていきます。

結構大きな鱧を3尾、次々と開きます。

小骨が多い鱧、皮一枚を残して身と骨に切れ目を入れ、次々に切り身にしていきます。

皮一枚の見事さに「あたしの首とおんなじですよ」とジョークをはさみながら、「鱧の骨はこういう向きになってるから、包丁をこう入れると骨がいちばん短く切れる」「お造りの時は包丁を引くけど、鱧の骨切りの時は押して切る」と説明してくれます。

「持ってみますか?」と手渡してくれた大きな包丁はずっしりと重みがあります。

18年使った、という包丁は研ぎ込まれて短くなっています。

どの包丁もゆがみなく、美しく研がれています。

包丁の研ぎ方を見れば仕事ができるかどうかわかる・・・耳の痛い言葉です。

この店に来て最近若いモンたちの意識が変わってきて嬉しい・・・サラリーマンでなく職人になってきた・・・と。

「最近、創作和食とかも増えているけど、やっぱり本物を食べてほしい。あたしは本物を作りたいし、これしかできないから、うどんやそばを作れって言われたら辞めます」という板さん。

職人のプライドを見せてもらった想いがしました。

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大根田真

職人さんのプライドを【言葉】で見事に描写されるmichaelaさんからも【匠の技】を感じさせて頂きました☆
そしてムショウに和食が食べたくなりました♪

僕も【本物の絵】を描き残せるよう【画道】を極めていきたいと思います☆


by 大根田真 (2008-10-02 13:41) 

michaela

大根田さま、ありがとうございます!
【本物の絵】を楽しみにしています!
by michaela (2008-10-06 10:02) 

cocoa051

いいですね。プロの職人。そんな方のさばいたハモは美味しいでしょうねぇ。
ところで、関東の方はあまりハモは食べないようですね。
by cocoa051 (2008-10-06 15:00) 

michaela

cocoa051さん、ハモのさばき方を見てさすが、京都の職人さん、と思いました!ハモというと冬の京都、と言うイメージがありますね。
by michaela (2008-10-07 09:08) 

わか

昨年ふらっと京都に行ったとき、
偶然、祇園祭の宵山でした。
駅前でレンタサイクルを借り、
市内の中心部は午後になると動けなくなるから気をつけて!との声を背に受け、市内観光へ。昼食時、いかにも老舗といった風情のお店を見つけ、
「あの~こちらハモが美味しいと伺ったのですが」
予約なしで暖簾をくぐってみると、突然の来客に、慌てたようでゴソゴソ相談中。2時間ほどかかりますがお時間は大丈夫ですかと通された個室。1品づつ食べ終わった頃を見計らって、運ばれてくる食事の数々。初めてのハモ体験。とても美味しゅうございました。カジュアルな格好ふらりと行ったにも関わらず、仲居さんが玄関先で、自転車にまたがる私を、見送りまでして下さいました。ハモは冬が旬でしたか。
by わか (2008-10-11 07:21) 

michaela

わかさん、冬ではなく、夏が旬みたいですね・・・勘違い、失礼しました!どこで間違ったんだか・・・(笑)
それにしても一見さんも大事にしてくれた、素敵なお店ですね!本当に良いお店というのはそういうものでしょうね・・・一期一会・・・。
by michaela (2008-10-11 20:27) 

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