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片方だけのイヤリング [その他]

友人とミュージカルを観に行ってきました。

浜松町にある、某大手劇団の小さな劇場。

休憩時間に隣の友人と話していて、友人のほうに顔を向けた瞬間、左のイヤリングが飛びました。

あっ、と思って落ちた方を見ても床にはない・・・。
よく見ると友人と私の間の肘掛の後ろの方、背もたれとの間辺りに見えます。
指を差し入れると、アッ・・・!
イヤリングが引っかかっていたのは支柱の上の方、指が入らないようなところで、奥に向けて空洞に・・・。
なんとか指が触れた・・・と思ったら、アッ・・・!
さらに空洞の中を落ちていったようで、視界から消え去りました。
外からは全く見えません。

友人は「あとで劇場の人に言った方がいいよ」
私は「え~っ、座席はずさなきゃ絶対取れないところだし、3組1,000円のだからいいよ~。終わったらもう一度見てみるけど・・・」

そして終演・・・。

もう一度見ますがやはり支柱の中に入ってしまったようで、外からは全く見えず、取り出すには床のネジをはずし、座席を分解するしかなさそうです。
それにしてもなんでそんなところに?!と思うほど微妙なところに入ってしまいました・・・。
反対隣に座っていた品の良い見知らぬ老紳士も一緒になって心配してくださり、劇場の人に声をかけかねない様子だったので、丁重にお礼を言い、友人もかなり強引に薦めるので係の女性に話しました。

安物だから(だったら黙って帰れよ!と突っ込まれそうですが・・・)ほんとにいいです、と言いながら問われるままに一応電話番号を伝え、帰宅しました。

家に着いて1時間ほどした頃、1本の電話・・・。
「劇団○○の△△劇場ですが・・・先ほどイヤリングを・・・」

なんと!本当に座席をはずして見つけてくれたのです!
すごいプロ意識だと思いました。

「わざわざ座席をはずしてくださったんですよね・・・どなたが?」
「あ、劇場の整備の者がやりましたけど全然大丈夫です・・・」

安物のイヤリングだけど、値段に関係なく気に入っていたので劇場の心遣い、嬉しかったです!(ちなみに3組のうちもう一組も最近どこかで片方なくしてしまった・・・)

さて・・・このときの対応も人様々だと思います。

まず、私一人だったら、気に入ってはいても、3組1,000円のイヤリングのために劇場の人に話したりはしなかったかもしれません。
けれどももし、手が届かなくても見えるところにあったら、伝えたかもしれません。

逆に、そんな安いのだったらあきらめたら?と友人に言われたら・・・天邪鬼が動いたかもしれませんね。

いろいろ考えられます・・・。

そもそもイヤリングを落としたことさえ悟られないようにしようとする人・・・。
大騒ぎして周り中巻き込む人・・・。
今すぐ探して欲しいという人・・・。
友人の勧めをきっぱり断って、イヤリングはそのままで帰る人・・・。

もしかすると私の対応は一番優柔不断で受身的かもしれません。

友人の勧めを断るでもなく劇場の人に話し、安物だからいいと言いながらも、問われるままに電話番号を告げる・・・。
その裏には、まさか座席をはずしてまで探してはくれないだろう・・・という気持ちがあったことも確かです。

それだけに、たった一つのイヤリングのために座席を床からはずしてくれた劇場の人の心意気には感動し、同時に、見つけたときの「あった~ッ!」という気持ちがわかるような気がしました。
もっとも、見つけた人は「こんな安物のために大騒ぎしたのか・・・」とあきれたかもしれませんが・・・。

私としては友人の薦めに従って良かった、という思いと少々強引な友人への感謝、劇場のスタッフの徹底したプロ意識に対する共感と感動とで、とても爽やかな気持ちになりました。

それと・・・隣の老紳士、ミュージカルをホントに楽しんでいて素敵でした・・・。

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わたしの場合は店なのですが、劇場の側から言えば大切なお客様の持ち物。なんとしても探してあげたいと思うのは心理ですが、椅子をはずしてまでというのは大変だと思います。だから感動を呼ぶことにつながるのでしょうねぇ。見習わなければと思いました。ありがとうございました。
by (2006-10-14 03:53) 

michaela

cocoa051さん、ありがとうございます。CMにでも使えそうな徹底ぶりだと思いました。ここまでしてもらえるとまた行きたい!と思いますね。少しの(ではないかもしれませんが・・・)手間をかけることで喜んでもらえるプロ意識と誠実さ、日常でも見習いたいと思いました。
by michaela (2006-10-14 07:50) 

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