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マイナス感情のレベルダウン [REBT(論理療法)]

私たち人間の悩みというものは、きわめて単純に言えば「理想と現実とのギャップ」といえます。

<こうありたい><こうあって欲しい>という理想、<私ってこんな人><こんなふうに振舞いたい>という理想(というか仮想、思い込みでもあります)の「私」・・・これらと本来の現実や本来の「私」とのズレがあるから悩みになるのです。

この<理想>として描いている中に、意味のない、合理的でない「ねばならない」「~すべき」「~であるべき」があると、そしてそれが強ければ強いほど、悩みは大きくなってしまいます。
つまり期待が大きければ大きいほど、外れたときのガッカリも大きい、というわけです。

これら合理的でない「ねばならない」や「~べき」は大きく3つに分けられます。

①自分に対する「ねばならない」
 たとえば「私は常に良い人でなければならない」「すべての人から好かれなければならない」「いつも良い母親(父親・子)でなければならない」「私は常に成功者であるべきだ」・・・

②他人に対する「ねばならない」
 「すべての人は私と同じ意見でなければならない」「みんな私の言うとおりにしなければならない」「誰もが私のことをほめるべきだ」「店員はお客の注文をすべて受け容れるべきだ」・・・

③周囲の状況に対する「ねばならない」
 「電車は常に時間通り運行されるべきだ」「病院の待ち時間は絶対に短くなくてはいけない」「世の中はいつも私の思い通りに動くべきだ」・・・

何か悩みがあり、そこから生じる感情が耐え難いものであったとき、実はこれらの無駄な「ねばならない」が潜んでいるのです。
「あんな風に言われた私は生きてはいけない・・・(潜んでいるのは・・・私はすべての人から好かれなければならない)」
「感謝の言葉もないなんてあの人は最低だ・・・(潜んでいるのは・・・私の期待通りに振舞うべきだ)」

渦巻いている感情が、一時のものであればさほど問題はないかもしれませんが、それが強い怒りや絶望感などで、たびたび湧き上がってくる時、あるいは耐え難いほど強い時、この潜んでいる無駄な「ねばならない」のことを思い出してください。

「すべての人に好かれるなんて可能?」「周りの人がいつも私の思い通りに動かなければならない根拠はあるの?」・・・と自問自答します。

そして「すべてなんて無理」「いつもなんて不可能」と、これらの「ねばならない」が意味のない無駄なものであると気づけばしめたもの!
「すての人に好かれるなんて無理だけど、私には友達もいるし、あの人から好かれなくたって困りはしない」
「感謝してくれないのは残念だし困った人だが、それだけのことだ」

悩みをすべて消し去ることは不可能かもしれません。
怒りや絶望感を0(ゼロ)にすることも不可能でしょう。
でもたとえばレベル100だった怒りをレベル30くらいに下げたり、どうしようもない絶望感だったものを「ちょっとがっかり」くらいに軽くできたら、少し楽になると思いませんか?

「私は絶対に悩むべきでない」「私は絶対に怒るべきではない」 になると、またそれが悩みの元になってしまいますよ。

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コメント 4

おっしゃっていること、とてもよく分かるというか、自分に当てはまりそうです。
いまもそうですが、お店の店長はこうあらねばならないとか、このような場合はこうすべきとか、そういう思考があります。ただ現実は、それが無理なことだと理解するように努めています・・・諦めているということかも知れませんが・・・。
だから最近は、「ない物ねだりはやめよう」と思い、多くを求めないようにしています。それは求めるべきレベルを下げているのでしょうが、それが果たして正しいのか、いちばんの悩みです。
by (2006-02-28 15:44) 

relax-takemytime

おっしゃるとおりですね(*^_^*)
ものごとは受け手の考え方・感情次第、と最近思えるようになりました。
by relax-takemytime (2006-03-01 09:32) 

難しいですね。私の場合もそうだろうか? つい捨て鉢になりそうで、最近は私なんて・・・・だから、ってついマイナス傾向に思いがち。少しは思いやりの姿勢が欲しいのは私の勝手な気持ちかも。人に批判されすぎて、いたたまれないのですが、自分はまだ人に辛くあたらないようにしなくっちゃっと思うのもまた思いこみ。葛藤は続きます。
by (2006-03-01 20:59) 

michaela

みなさま、nice! &コメントありがとうございます。

cocoa051さん、店長さんとしてあるべき姿というのは確かにあると思います。そしてその人の資質や能力。そこと求めるものとのバランスが難しいですよね。求めるべきレベルを常に一定にするのではなく、自分にも相手にもストレスにならないよう、柔軟に変えられるといいかもしれませんね。

もものままさん、そうなんです。こちらがどう受け止めるかでずいぶん違ってくると思います。

おさかなさん、試行錯誤し、葛藤を続けながら、人間は成長していくんでしょうね。
by michaela (2006-03-02 09:02) 

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